日本橋川に青空を。 おまけ:内需産業を支えるアメリカ企業。
こんばんは。ノディでございます。
日本橋の上にある首都高が居なくなる日が来るかもしれません。
半世紀ほど前に日本橋の上に高架が架けられて以来、日本橋は橋の下の橋状態でした。
先の東京オリンピック前に土地の買収に苦戦した当局が既存の道路と河川の上に高架道路を敷設する離れ業をやってのけた結果です。
建設当初は皇居の堀の上を通す案もあったくらいですから当時の交通時事情を改善してくれという社会からのなりふり構っていられない強い要請があったのだと窺えます。
それが地下に移されるとなれば周辺の空気も良くなりますし、日本橋が昔の姿を取り戻す事になります。方針としては賛成ですが、一番得をするのが付近にCOREDOなどのビル・施設を保有する三井不動産です。ちなみに私が映画を観に行くときは殆どCOREDOに入居しているTOHOシネマズ日本橋です。
直上に道路が有ろうと無かろうと観光名所としての日本橋はすでに一定の地位があると思います。
すでにビルが林立している周辺価値の伸びしろはそんなに大きくないのではないか?
他に優先して取り組む課題が東京にはあるんじゃないか?
私企業の事業を支援しているだけじゃないのか?
というのが率直な感想です。
方針としては賛成ですが...
老朽化している社会資本を適切に更新していく事は我が国の生産性に関わるので。
朝9時の日本橋三越前の様子です。奥の緑色の高架が首都高速でその下にあるのが石造りの日本橋です。(首都高の奥にある建物は野村證券です。)近辺は急速に再開発が進み既に青空は相当狭まっているように思えます。この風景から首都高を無くしたら印象が薄くなるような気がしませんか?
芥川龍之介の『鼻』に出てくる内供のように日頃から「橋の下にある薄暗い日本橋」と揶揄されてきたが、いざ無くなると逆にバカにされる。そんな事にならない事を願います。
デベロッパー各社には31mラインの腰巻きビルを上手く造っていただき圧迫感を和らげてほしいですね。
夜は装飾の付いた照明があるため意外に明るいです。
結局のところ私は今の風景にたいしてノスタルジィを感じているだけなのでしょう。
無理やり株の話に反らしますが、高架を撤去するのもトンネルを掘削するのもビルを作るのも建設会社になります。
内需型の企業でアメリカ企業との関わりを意識しづらい印象があります。
セメントは住友。鉄骨はJFEか新日鐵。工具はマキタかヒルティ(非上場)といった企業の関わりが多いです。
ただ彼らが施工図を作成する時に使うソフトはオートデスク(ADSK)の2DCADだったりします。
オートデスクが開発したDWGやDXFファイル形式が通用しないということは殆ど無いといってもいいでしょう。
そして施工図室の労働者が聞いたら目玉が飛び出るような金額のサブスクリプションの契約を結んでいるのです。
内需を盛り上げる公共投資であっても私達の税金のいくらかがアメリカ企業に確実に流れている。
アメリカ企業の製品・サービス無しにはビルは建たないのです。
売り切りからサブスクリプションへの転換期にあるためか直近では赤字が続いていますが、シェアの高い高収益企業に生まれ変わる可能性は充分にあります。
無配なので今のところ購入は考えていませんが、私にとっては身近な会社ですので趣味で少額を保有するのも面白いかもしれません。
おやすみなさい。
※具体的会社名を上げていますがそれらの株の購入を勧奨しているわけではありません。投資は自己責任で。