泡沫投資家ノディの米国株入門

インフレに勝ちたい

株式100%ポートフォリオに違和感

投資を行っていると大体の人は株式の割合はどれくらいが良いか?という問題に一度ぶち当たります。

 

...株式が長期的には上昇すると思われることから、長期の投資であれば株式の割合を高めた方が高いリターンが期待できる。他の、債券のような非株式資産を加えることはトレンドの反転から利益を得るポジションであり、リターンを犠牲にする行為である...

 

株式100%ポートフォリオを組んでいる人の考えはこのようなイメージです。

私は株式400万+生活防衛費50万+生活費と趣味用の現金と合わせて470万くらいと、総資産に対する株式割合は85%程です。生活防衛費は20代独身という状況から決めています。生活防衛費は比率ではなく金額で考えているので徐々に株式比率が上がっていくと思われます。

夏のボーナスをそにーのふるさいずみらーれす かめらにつぎ込んでしまったので資産額は足踏み状態が続いてしまっています。

 

話しがやや逸れましたが、私が思うに株式100%がアリかナシかという疑問が生まれるのは6%という株式インデックスの実質利回りに内心満足していないからではないでしょうか。

個別株投資はする気は無い、けど可能な限り早く資産を増やしたい。

→リスクさえ無視すれば株式100%PFしかない。

というような消去法で辿り着いているような気がしますし、私自身、本当にリスクと向き合った結果が今の株式比率なのか?という違和感を覚えながら命よりも大事なお金をリスクに曝しています。

自分が何をやっているか把握した上で100%としているなら問題は無いです。でも無理して株式100%にこだわるとリスクへの配慮が欠けてしまいがちになるのではないかと恐れています。

 

そもそも最適なポートフォリオは、最もシャープレシオの高い配分のリスク資産と、リスクフリー資産の2資産のみで構成され、その比率をリスク許容度(ボラティリティ耐性)、またはリスク回避度(超過リターンへの選好)から決定されるべきものです。

(1ーファンド定理とかトービンの分離定理と言われているものです)

 

資産の配分にあたっては、リスクフリー資産の空売りを行う事も選択肢に含まれています。リスクフリー資産の空売りとは、リスクフリーレートで借金をしてリスク資産に割り当てるというもので、つまりレバレッジを掛けることです。実際にはリスクフリーレート以上の金利がかかるはずなのでシャープレシオは悪くなってしまいます。

借金は割引後現在価値の受取りだという事を考えれば、金利の影響は将来の実質価値に大して影響を与えないとも思えますが...プレミアが上乗せされるのは気分が良くないですよね。

 

株式100%じゃ我慢できない人たち、具体的にはバリュー株や小型株ETFに投資して取引手数料を献上している人(私も)はまず株式市場PFのレバレッジ化を検討するべきなのかな?と思いました。

例えば資金の95%を現物株に、残り5%を3倍ブルに突っ込めば95+15=110となり、みなし1.1倍レバレッジPFが構築できます。

金利負担、非市場リスクを最小限にし、かつ中長期的に現物のみのインデックス投資を上回るパフォーマンスが期待できます。

ですが、標準偏差が上がってしまうのは事実。不確実性にも晒されています。

ウィリアム・シャープ氏が過去のリスク・リターンを使ってポートフォリオを決定すると、半分以上のパターンで最適なPFから外れてしまうと指摘しているように、長期間の効率フロンティアを引けば自ずと最適なPFが決まるというような単純な話にはならず、リスク許容度、あるいは回避度をどのように推定すべきか、のんびり勉強中です。

ひょっとしたら私にとって最適保有となるPFの株式比率は130%ほどかもしれないですし、逆に60%に過ぎないのかもしれません。100%ピッタリではないのは確かです。

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(長期間の効率フロンティアの例です。相当債券寄りのPFが最適だったみたいですが、今後80年の投資に役立つだろうか?とても怪しい。)

 

ところで、こんな考えが頭に浮かびませんでしたか?

 

「マクロファクターへの感応度が高いバリュー株や、事業基盤が比較的脆弱な小型株は高ベータ、高ボラティリティである。リスク・リターンのトレードオフのため株式市場PFよりも期待リターンが高く、レバレッジ代用証券としての性質が期待できる。その上金利負担はゼロなのだ。」

 

残念ながら、空売りを行うことができない機関投資家も同じことを考えていますし、バリュー株、小型株アノマリーは広く知られてしまっており、資金が流入しやすいです。VTVとかVYMとかVBRとか持っていませんか?加えてパッシブ投資家はアクティブ投資家の値付けを抵抗せず受け入れますから、一旦リスクに見合わない水準まで過大評価された株をそのままお買い上げします。

結果的に過去のベータと実現リターンの相関はCAPMから期待される程のものではなく、もし市場平均より高リターンが実現したとしても高ベータ株のシャープレシオは悪くなる傾向にあります。高ボラティリティ株も過去のデータではパフォーマンスはよくありません。

最小分散PFのシャープレシオが高いのも同じ理屈の裏表です。みんな内心では低ベータ株や低ボラティリティ株が美味しいと分かっていても、平均的な投資家は空売り制約やベンチマークとの乖離の防止といった何らかの制約によってそれらを十分に買うことができず、それが低ベータ株が標準偏差に比べて割安に放置されがちな原因のひとつと推測されています。

 

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