泡沫投資家ノディの米国株入門

インフレに勝ちたい

2018年お疲れ様でした。年末の資産状況と総括と来年の抱負

NY市場は31日にも取引があるので、厳密には年末ではありませんが、大して変わらないだろうと思うのでここで締めます。

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↑東証で行われた大納会の様子。

楽観的な参加者が多いのか見学者も多く、盛況でした。

 

今月の集計から生活防衛資金と端株でちびちび集めていた日本株も含めた総額としており、これ以上は何も出てきません。急落した瞬間、突然どこからともなく現れた大金を投入することもありません。これと月々の給料の余りが手札の全てです。

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myTradeはクリスマスに口座を登録・連携したばかりで表示がおかしいですが、2週間経てばちゃんとしたグラフになるはずです。

ポートフォリオの状況としては、米小型株売り・日本株売り・新興国株買いというもので、ドル安に賭けています。

買い持ちを貫くと決めた軍需銘柄の買いポジションも存在しますが、どちらかと言えば指数が下がると資産は増える状態に置いています。

先月まで持っていたVTIは株式ウェイトの調整役として役目を果たしサヨナラ、医療保険のアンセムはオバマケア違憲判決の後売却し、一部をボーイングに切り替えました。指数が右肩下がり基調なのでモメンタムが途絶えた個別銘柄は用済みです。ボーイングは軍需銘柄として扱い、買い持ちします。

↓ドルインデックスとEUR/USD

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損益率は先月末時点から改善。

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2018年の内部収益率は配当込みで-11.54%

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主要インデックスと比較するとVEA以上VT以下ということで、米株のアンダーウェイトが祟った1年となりました。でも、これからも米株のアンダーウェイトは辞めない。むしろショートしている。

 

年足のローソク足です。ご査収ください。

入出金を考慮していないので何の意味もありません。

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総括

2018年は金融政策に起因する相場の変節を観察することができました。一部セクターでは減収やマージンの悪化も見られ、神経質な動きを続けています。

過去の本や記録には当然ながらアメリカの量的緩和の巻き戻しで何が起きたのかは書いていないので来年も目が離せません。市場に敬意を払い、しっかりと一喜一憂しながら過ごしていきたいと思います。

 

個人的な投資方針の面では、年後半から足元のVIXを使ってポートフォリオのリスク配分を動的に変化させる戦略を確立したことが大きかったです。

年初、1桁だったVIXが現在は30近く。もしも静的な60/40や株式100%戦略を年初から維持しているのだとしたら、リスク許容度が変わっているか、1月の絶頂期の運用が合理的なリスク許容度から見て保守的過ぎたかのどちらかです。

投資のタイミングは正確には分かりませんが、平均分散アプローチ、ケリールール、どれを取ってもリスクは危険資産の保有にマイナスでしかなく、そしてボラティリティはGARCHによれば継続することが示唆されています。

ARCHモデル - Wikipedia

 

現在の私の運用方針ではリスク許容度(計算で使っているのはリスク回避度:λ)を固定化し、推定に誤差の大きい期待リターンも固定化し、VIXのみを使って最適なリスク資産比率を求め、リバランスを行っています。

でも、求めた比率を維持してじっと待つ事はあまりせず、相場観に従って(市場に逆らうとは言ってない)中身は結構入れ替えを行ったり、ベアETFも活用しているのでリスク予算配分の考えに近いかもしれません。

 

(リスク・バジェット(リスク予算)(1) - ニッセイ基礎研究所

https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=35643?site=nli

 

みんなが「この程度の下落でいちいち売るなんて...」と言っている時にリスク・パリティファンドと一緒のタイミングで機械的にさっさと売ってしまう。換金に応じてくれた逆張り投資家に保険料をしっかりと支払った上で。

そのような順張り戦略が基本です。今はVIXの低下を待っている状態です。

GPIFのような巨大ファンドの運用にフルインベストメント制約とレバレッジ制約が存在する限りにおいて、リスクベースの戦略は有効に働くと信仰しています。手数料と税金の面で不利なのは確かですが、リスク管理の方がリターンの追求よりも大事だと思っているのでリバランスを優先しています。

 

今年読んだ本ではアンドリュー・アングの『資産運用の本質 ファクター投資への体系的アプローチ』が一番勉強になりました。あとは、ウィリアム・シャープの『投資家と市場』も良かったです。

来年は企業価値分析とか統計の知識を深めていけたら良いなと思います。

 

日本株への再挑戦

来年以降、端株を使って日本株にもう一度挑戦しようと思います。キーエンスとか、ファナックとか東京エレクトロンとか任天堂とか。日本株は単元株数が100株に統一されたとはいえ、ひと銘柄に数十万~百万も必要なのは相変わらず。

私のように少額しか用意できない人が単元株にこだわると、みずほFGやJXTGや三井物産、日産自動車のようなバリュートラップ常連の手頃な値段の株に手を出してしまいやすい。その結果、日経平均と比べて大して上がらないのに下げるときは律儀に付き合うという惨事を数年おきに直撃する羽目になる。

端株投資でこの悲劇を回避できないだろうか?

そう思い、米株のように数万円ずつちびちびと買っていくスタイルで向き合おうと考えています。

そのうち別の記事で触れていきたいです。

 

ポートフォリオの中に、住友不動産と三菱地所が既に居ますが、これは仕事のモチベーションを上げるための政策保有です。給料を頂戴しながら投資先の資産のバリューアップも手伝えるって最高じゃないですか?

 

一般的な事を言えば...三菱地所は2012年12月のアベノミクス前夜の水準まで株価が戻っています。BPSが当時より4割も増えているのにも関わらず。(893円→1253円)

BPSの増加といっても、知識と技術とプラットフォームが収益源になる時代なので、ハイテク産業やら電機メーカーや自動車業界で純資産が増えたとしても何も魅力を感じませんが、不動産ならどうか?資本そのものが収益を生むのでひたすらバランスシートを拡大してくれていればそれで良いのでは?等々考えられます。最悪BPSの増加率が定期預金を上回ってくれさえすれば、株価などどうでも良いくらいの気分で投資しています。

特損と減配がセットの業界であり、金融危機の際は借り換え不安なども取り沙汰されるかもしれませんが、バイ・アンド・ホールドを貫こうと思います。

資産クラスとしての不動産はREITも候補です。しかしながら不動産事業会社株とREITは相関性が十分高いこと、純資産の蓄積が制度設計上REITにはあまり無いこと、大手不動産事業会社が持つ相対的に強いリーシング力とブランドによる賃料の上乗せ効果が期待できること、海外資産からの収益の有無などから判断し、REITではなく、総合ディベロッパーの2社に投資しています。

三井不は今回の景気サイクルでは攻めすぎかな?と思い見送っています。

 

見通しと抱負

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まず、当面のあいだアメリカの量的引き締めは継続で、利上げすら止まっていないのでリスク資産は債券含めて非常に分が悪いです。債権者である中国と喧嘩している状況で、減税の穴埋めのための起債もあり、金利の上昇、インフレ高進懸念を背景に債券の需給環境は株からの逃避を除けば10月から変わっていないように思えます。

CAPMが示唆するのは均衡なので、急落前の株価に織り込まれていたはずの、企業利益の成長率見通しが正しくても、マクロの懸念が実際に改善されなければ、株価も戻らないかもしれません。

 

景気敏感株の多い日本では、転職ブームや働き方改革の動きが顕著です。水曜日はノー残業デーの企業が多いのか5時台なのに電車が混んでいます。景気が冷え込み、明日の仕事と給料が途絶えるような事態を誰も想定していないように見えます。 駅ナカの食品売場も活況で、なんだかんだ言ってみんな沢山消費しているように感じます。これ以上の業績向上を販管費の増加を抑えながら実現できるでしょうか?

これ以上無いほど消費や設備投資が好調なら、一体誰が今から株を買ってやろうかと思うでしょうか?

誰も居ないかもしれない...居たとしたらばかなんじゃないだろうか?

...という見通しに立ちつつも、リスクプレミアムの提供があればそれなりに資産を組み入れておくのは悪くないと思います。予想はだいたい外れるものです。ただしリターンを削り取るボラティリティの水準には注意が必要です。

 

長期投資は短期・一括でも正しいと思えるポートフォリオの策定と定期的な見直しからスタートなのだと改めて意識して相場に向き合います。そして、リスク予算と金融政策と企業業績を注視しながら、株式・債券・無リスク資産(金とTIPSを含む)のバランスを適切に保ちながら来年を乗り切ろうと思います。

たとえ最終的には年5,6%のリターンが狙えるとしても、短期的に資金が半分になるような運用を良しとするのは辞めます。リスク管理超大事。

 

あと、お金のかかる趣味と投資の両立を目指していきたいです。これまでは余ったお金は全部証券口座に入れてきましたから。

↓特にこれが欲しい

photo.yodobashi.com

 

では、よいお年を!

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