泡沫投資家ノディの米国株入門

インフレに勝ちたい

インデックス志向の人間がグロース株投資戦略を組む。撤退戦としての低リスク個別株運用へ

今月の初めに少しだけVGKの買い増しを行い、よく分散された資産がポートフォリオの半分を超えました。

インデックス投資部門の内訳は

米国(VTI+VYM) : 44%

欧州(VGK) : 15%

アジア太平洋(VPL) : 7%

新興国(VWO+DEM) : 34%

となり、新興国株オーバーウェイトの状態は維持です。

 

パッシブ運用の割合が増えてくるとアクティブに動きたくなるのが悪い癖。個別株投資も同時並行で楽しんでいます。

...楽しんでいるのですが、こと個別株運用に関しては私のリスク許容度がとても低いことに最近気づきました。

なので個別株投資戦略を練り直す必要が出てきたのです。

 

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上げも複利なら下げも複利

まず、個別株投資に向き合うにあたって、私が前提としているのは今後10年程度米国株が停滞するというシナリオ。

停滞といっても、一回のリセッションを挟んだ上で、底値からの回復期を経て再び高値を追うまでに最低でもそれくらいの期間を要するのではないか?というもので、文字通りに横ばいで推移すると思っているわけではないです。

よく証券会社の回し者ブログなんかでは「時間を味方に複利で増やす。」メリットが謳われる事が多いのですが、下げ相場では一転複利の業火で雪だるまが溶けていく事を無視して話を進めている事が多いように思います。

個人的なリスク許容度の問題ですが、今後市場ポートフォリオのリターンが下に凸な曲線を描くと考えたとき、パッシブ100%の運用は非常に心もとないと感じます。なにぶん、アベノミクスのスタートとほぼ同時に社会人になり投資を始めた身ゆえ、勤め先の体力含めてちゃんと投資を続けることができるか今さらながら心配しています。底で買い増しすれば良い?その時職が有ればそれもいいですね。

 

リバランスで複利効果を断ち切る。

下げ相場において、複利の力でぶん殴られたくない人がどうすれば良いのかというと、リバランスを行い単利で運用する事が候補に上がります。

 

仮にバイアンドホールドのパフォーマンスが下に凸な関数を描く場合

算術リターンの和(単利)≧算術リターンの積(複利)

になる性質があります。

この期間においては、バイ・アンド・ホールド運用はリバランスによって時間分散を断ち切った単利運用に勝てないのです。

キャッシュポジションが存在する期があるのだから当然のことを言っているだけなのですが、すこし算数を持ち出すだけで「投資にはメンタルが重要」などと言い出す必要が無くなります。「損切りが重要」「資金管理が...」とか言葉尻だけ知ってても私のようなバカには意味が無いのです。これ全部リバランス効果とショートボラティリティを言ってるだけです。いや、結果を出していない私が偉そうに何か言える立場では無いのですが。

 

で、この単利運用に近づけるためには、とある資産が上がりウェイトが大きくなりすぎたら売り、一定以上下がったら損切りを行って(マイナス方向の)複利の世界に足を踏み入れないように動かし続ける必要があります。

 

全部キャッシュに変えてしまうのもアリです。でもタイミングは分からないので常に一定のウェイトをリスク資産に曝しておきたいというのが私の考え。

 

ここまで債券や現金ポジションは下げ相場で有利だ。

という簡単なことを回りくどく書きました。忘れっぽい私の為にです。二項ツリーを作れば、イェンセンの不等式とか知らなくても簡単にリバランス運用の優位性が理解できると思います。

 

現金同等ポジションとしてのグロース株

では具体的に何をすれば良いのか?

金融引き締めに向かっている中で、最後まで上昇する資産を捕捉する事が必要になる。パッシブ運用に頼れる段階では既に無く、債券の組入をスタートしてジッと待つのは市場ポートフォリオの益利回りが債券利回りを下回るか、ラッセル2kやQQQが下向き基調になってからでもそう遅くは無い。政策に左右されてトレンドが突然死する可能性を考えると単純な債券のベア型ETF運用は取れない。

すると今はモメンタムのある株かグロース株しかないなと。でもアップサイドはもはや限定的で、撤退戦であることは意識しないといけませんね。徐々に現金比率は増やして行きたいと思いますし、株式の部分も現金同等、あわよくば利益確定できれば十分程度の心構えで臨みたいと思います。

人によっては素材株とかコモディティとかREITのベア型ETFに先回りで突っ込んでいるのかもしれませんけれど、私はまだそのレベルまで達していません。

 

トレード戦略(仮)

成長株投資の本はまだ読んでいないのですが、自分なりの戦略を少し試してから反省会も兼ねてじっくり読もうと思います。

なので以下の戦略はインデックス投資の哲学がベースで、そのうち変更するかもしれません。

 

 ①集中せよ

今回買おうとしている対象はグロース・モメンタム株となる。

ところがシーゲル教授もファーマも、他のみんなも成長株への分散投資は長期的に見ると良くないとしている。小型成長株が特に悪い。

グロース株への長期分散投資でバイ・アンド・ホールド!というのはインデックス投資家としての私の宗教に真っ向から対立する。

というわけでその逆を行くしかない。常に売り時を意識した近視眼的な集中投資を行う。

銘柄数の目安としては、ダウの負け犬とかホニャララ10種なんてものがあるくらいなので、10種も揃えると(スマートじゃない)ベータが発生してしまう恐れがある。よって10社未満に抑えるべきではないだろうか?

資金量とも相談して、とりあえず3社から5社程度をターゲットにしたい。それ以上の数を揃えたいと思ったら一番成績の良くない銘柄と入れ替えることとする。

投資資金のロットは20万円≒1800ドル程度。ロット単位で売買する。手数料率から考えたら1万ドル以上が理想だけどそんなお金は無いの...給料やボーナスを増やす努力も欠かせない。

 

②損切りラインは厳守

損切りラインは72の法則から見て7%に設定して様子見。7.2%から先は複利の世界が暗い顔を覗かせるので単利運用の戦略にそぐわないと考える。

もちろん雲行きが怪しいと感じたらラインに達する前に切ることも選択肢に入れておく。

 

③投資ユニバースは新高値銘柄

ずっと右肩上がりの銘柄が良く、ボラティリティが低ければ一層良い。直近の1ヶ月を除く1年リターンが高い株はモメンタムの継続が期待できる。買った瞬間からモメンタムが消失したら売ればいいので初動の結果が正しいか比較的早期に判明する。

 

④ファンダメンタルズ分析はあまり当てにしない。

経験豊富な方には別の視点があると思われるが、私にはまだマトモな分析はできない。加えてセミストロング型の効率的市場仮説の信者としては公開情報の分析にあまり意味を感じないというのもある。マーケットの集合意思が株価に現れているはずだから素直に新高値を追っておけば十分だと思う。決算とライバルの動向くらいはチェックするが1番重要なのは他の投資家の動向、つまりは株価にあると予想。

 

⑤高値波乱銘柄には近づかない。

高いボラティリティは将来キャッシュフローの不確実性が株価に現れているものであるし、高リスクそれ自体が高リターンを期待される要因になるため株価がその分割り引かれる恐れがある。これはCAPMの考え方とも矛盾しない。

 

⑤売り時

難しい。トレンドを割ったら黄色信号で、戻りそうにないor株価上昇をお祈りするような状態になったら売るという程度の方針。メンタルという言葉が出そうになったら撤退する。あとはパターンを見て覚えていくしかない。上昇に比べて下げは急だから機敏に過ぎるくらいで丁度いいと思う。

 

以上が大まかな方針です。

現状のポートフォリオではマイクロソフトとアドビシステムズの2社がこの方針下で保有(アドビは早速アフターで決算セールが開催されており、試されている感じ)。残る軍需株とブラックロックは長期投資前提で行きます。

インデックス運用へのニューマネー投入は夏のボーナスで買うVGKかDGSを最後に優先度を下げ、以降は個別株と現金ポジションの構築に回そうかと思います。

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

色々と気づくのが遅すぎた。もう旨味なんて殆ど残ってないだろう。

1年前の自分を思い切りぶん殴りたい気分だ。

 

 

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おまけ:自問自答集

 

Q1:米国株が下に凸の曲線を描くなんてことは起きないのでは?

A1:This Time is Different.

ITバブルの頃にもニューエコノミー論とかありましたよね?

国際分散もレンジ相場対策として有望だと思われるが当面日本とADR以外の米国外株はパッシブ運用を原則とする。

 

Q2:長期的に見れば下げ相場のことなど気にしなくても良いのでは?

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A2:10年は非常に長い。数年先のリセッションで大損こさえて40歳近くまで含み損とか耐えられそうにない。個人のリスク許容度と選好の問題なので、私はそうする。というだけ。

資金量が小さいうちに色々な戦略を試してみたいというのもある。将来的にはパッシブオンリー運用に落ち着くかも。

 

Q3:VTの方が下がるというなら愚直に積み立てを継続していくのが良いのでは?

A3:バイ・アンド・ホールドとリバランス運用の比較であって、入金投資の話はしていない。

 

Q4:売買を繰り返したりしていると100%VT運用に簡単に負けるのでは?

A4:株式とキャッシュや債券のディスパージョンにより、VTの買い持ち戦略に対して長期的には高確率で負ける。ただし今回のは下げ相場への対策が目的の近視眼的投資であり、徐々にCPは増やしていくし、底を打ったらパッシブ全力に切り替えるつもり。

さらに言えば厳格な損切りを行う場合の個別株運用と、VT100%運用ではリスク許容度が全く異なるのは明白である。両者を単純にリターンのみで比較する意味は乏しいと考える。

 

Q5:そのちっぽけな運用資産でトレードwwwwwww

A5:そういうガチなツッコミはやめて下さい。とても効く。

 

 

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