米国株インデックスはVTIとVOOどっちが良いか?【全米株式vsS&P500】
VTI(米国トータル・マーケット・インデックス)
https://investor.vanguard.com/etf/profile/VTI
VOO(S&P500)
https://investor.vanguard.com/etf/profile/VOO
上の2つのETFでどちらが良いか?という問題は無リスク資産の割合をどうするか?という事に比べれば些末な問題に過ぎないのですが、本ブログでの立場を明確にしておきます。
私のポートフォリオはVTIを採用しており、VOOやIVV、SPYの購入は検討していません。
そもそもインデックス投資とは、マーケットリスクプレミアムを獲得するためのものであり、そのためには市場で入手可能な全ての証券を含む、市場ポートフォリオを保有する必要があります。
株式時価は将来配当の割引後現在価値です。また『みんなの意見は案外正しい』ので株価は実際の内在価値にそれなりに近いものでしょう。もし乖離していると判断され、情報及び取引コストを上回るリターンが期待できる場合は、自分を含めた市場の誰かがウェイトを高めるので是正されるはずです。売買が均衡しているので、マーケット自体は時価総額加重ポートフォリオのバイ・アンド・ホールドをしています。
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株価=将来配当の総和と、手元の現金を交換することにどんな経済的価値があるのか?
株式投資家はリスク資産を引き受ける代わりに割引率を要求してリターンを得ます。市場全体がどれくらいのリスク回避度を持っているかで割引率は決まるため、期待リターンの源泉は市場リスクという結果に落ち着きます。
マーケット全体の株式を時価総額加重でリスク許容度の範囲内で目一杯保有することで、期待リターンを最大化させることができます。市場ポートフォリオと異なる比率で資産を保有すると非市場リスクが追加されますが、それは期待リターンの上昇をもたらさないということになっています。
VTI、VOOどちらが良いか問題の私なりの答えは、同じ時価総額加重インデックスであっても、組入銘柄数が3000社ほど多いVTIの方が、より市場ポートフォリオに近く、インデックス投資の原理原則に従えばVTIへの投資が正しい。というものです。
上の考えが私の頭の中にあるため、VTIを選択しています。
仮にVOOを選択するならば、「なぜ大型株500社に限定しなければならないのか?」という疑問に答えられないとダメだ。という考え方です。配当利回りが高いとかボラティリティが低いとかセクター比率などが判断材料でしょう。
もちろん、S&P500という指数に象徴的な意味を見出し、経費率の低いVOOやIVVを、資産規模でSPYを選ぶという人もいらっしゃるでしょうし、IWMやIJRを使って比率を調整しつつ小型株にアクセスしている人や、取引コストを考慮してVTだけで完結する国際分散ポートフォリオにしている人もいらっしゃるかもしれません。最終的には個人の裁量です。
しかしVTI、VOOの違いは小さく、時間を掛けて悩むのは勿体無いと思います。ただし選んだ根拠はぱっと言えた方が良いでしょう。数年後リターンの差が出てきてしまった時、自身を納得させられるからです。
やっぱりあっちにしておけば良かった...。
などと思わず、結果があまり良くなくても、当時の判断は正しかったと確信できるようにしたいですね。
まあ、どちらを選んだとしても、そうそうひどい結果にはならないでしょうから、リターンを左右する無リスク資産の割合をどうするべきか、自身のリスク許容度に考えを巡らせた方がずっと良いと思います。