従業員持株会をオススメしない理由
こんばんは、ノディでございます。
従業員持株会というものがあります。
従業員が勤め先の株式を積立できる便利な制度です。
でも私はオススメしません。
まず無理やりメリットを並べます。
持株会のメリット
・会社側から奨励金が付与される。(10%とか)
・毎月の給料、ボーナスからの定時定額購入はインサイダー取引規制の適用除外となる。(金額上限あり)
・給料天引きなので無意識に資産が蓄えられる。
・ドルコスト平均法で買付を行うことになるので、時間分散される。
・配当金再投資に手間がかからない。
・株主価値を意識して仕事に取り組むようになる。
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こんなところでしょうか。新卒で入社してそもそも貯金の習慣が身についていない人には良いかもしれません。
勤め先の業種・業績にもよりますが、資産形成の手段のひとつと言えそうです。
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持株会のデメリット
・株価が業績に連動し、損をする可能性がある。
・売却時はインサイダー取引規制の対象となる可能性がある。
(エレベーター内や喫煙所での立ち聞きや、宴席で偶然話が耳に入っただけでも対象者になる恐れがある。)
・持株会口座から自分の特定口座へ振替するのに時間がかかる。
・振替先の証券会社は勤め先によって決まっている。(大体が大手証券会社)
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というメリット・デメリットが一般的なところだと思われます。
勤め先の展望についてどう思うかで対応は分かれます。
一概にどうすれば良いかと言うのは難しいです。
資産としての流動性と家計の機動性に難あり
ところで、私の経験談から言いますと、奨励金の10%程度は簡単に日々のマーケットの中で動きます。奨励金に対してあまり有り難みは感じませんでした。
さらに1単元分貯まって、証券会社(大手証券)の口座に振替えようとしても、事務局の承認作業やらで2~3週間かかります。
その上、売却時には大手証券会社の割高な手数料を払うことになります。勿体無い。
そして、拠出額の変更が私の勤め先は年2回のみでした。月あたり、せいぜい1万円程度の拠出でしたが懐が寒いときは給与明細の中の持株会の欄を苦々しい目で見てました。2015年夏の株式投資のスタート以降は特に。
生活環境の変化に合わせて機動的に家計を調整できない要素があるのは厄介です。
勤め先と玉砕することを強いられる恐怖
一番重要なのは、自分の資産と給料がひとつの会社に委ねられているという事です。
なんのリスクヘッジにもなりません。
ボーナス減や残業規制中の一番苦しい時に、自社の持ち株ほど頼りにならないものはないでしょう。
最近でいえばタカタや神戸製鋼、そして東芝のように、いつ不祥事や経営悪化、またはその両方に巻き込まれるのか分からないという恐怖も。
残念ながら平社員には兆候すら掴めないと思います。掴めた人はインサイダー対象になっていることは確実。
勤め先の株を買うことはボーナス以上に業績の連動性をもたらし、投資先としてはリスクが高すぎます。
私は持株会をオススメしません。
ということで、昨年のアメリカ大統領選挙の前に全部処分しています。結局損益はトントンでした。奨励金分がそのまま儲けになった状態で着地できました。
売ったお金は消費に回さずに、今ではすべて米国株に化けています。
とても満足しています。
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今月から下半期が始まり、持株会の加入案内が流れている会社が多い時期かと思いますので、私の体験を書きました。
参考にしていただければ幸いです。