泡沫投資家ノディの米国株入門

インフレに勝ちたい

新社会人に初任給から投資を勧める悪質な善意

当ブログトップ画像の夜バージョンです。

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この記事はブログ来訪者の内、5%ほど居るらしい私より若い人に向けて書いています。

 

あと数日で初めての給料日を迎える新社会人がいらっしゃるのではないでしょうか?あるいは数年先には...という方も。

 

ところで、初任給を得た瞬間に

投資を始めたいなどと考えていませんか?

 

money-bu-jpx.com

 

でも少しだけ立ち止まってほしい。

 

すでに資産運用を実行している人は気軽にも投資の重要性を説き、つみたてNISAや、iDeCoといった類いの制度を紹介し、初めてのお給料からすぐにでも始めるよう煽ってきます。

 

しかし、所詮彼らは(私も)ブロガーやセミナー屋、もしくは証券会社の回し者です。

お金とライフプランの専門家と言える人は少ないですし、誰一人あなた以上にあなたの人生について本気で考えていません。

 

例えば、結婚や育児資金を考慮した場合の資産運用はどんなものが最適か?

マイホームの購入を見据えたポートフォリオの移行はどうするべきか?

聞いても結局「人それぞれ」に近い事しか答えられません。

私でもそう答えます。

 

あえて考えるなら、インフレにやや勝てる程度のリターンを狙った、上下動控えめのシャープレシオが高いポートフォリオに全資産を突っ込むのが良いかもしれませんがやはり責任は取れません。

投資以外の生活についてなら、なるべくクレジットカードを使い現金の支払いをなるべく先送りにし、手元の流動性を確保しつつ余った現金は全て別口座で管理するなどして、生活費と切り離された財布づくりに努めると良い。

くらいしか助言できません。

 

自称金融リテラシーが高い人が嫌う年利18%のカードローンも最後の流動性確保には有用です。ボーナス払いも躊躇なく使うべきです。

返すアテは絶対に必要ですが、可能性のごく低い予定にない出費に備えて現金ポジションを太らせるよりも、その金でコカ・コーラの株でも買って確度の高い配当を貰う方が私は好きです。

 

年利18%といっても20万円をひと月借りたときの利子は2千円くらいです。20万円分のコカ・コーラ株からの配当は税引前で年70ドル、四半期で17ドルはあります。

備えあれば憂い無しとは本当ですか?機会損失を考えていますか?

生活防衛費が何ヶ月分必要なのかも、誰かの意見を聞くより自分で考えて設定したほうが良いに決まっています。

 

彼らにとって、ペイデイローン業者は、給料を担保に高い 利子で金を貸し、 小切手に法外な手数料を課す人食いザメ でしかなく、できるだけ早く根絶すべき対象 だった。

 

金曜の朝、私は家賃をまだ支払っていないことに気づい た。あと1日遅れると、50ドルの滞納金が加算される。滞納金を支払うほどの余裕はない。

そんなとき、返済期限3日のペイデイローンを、数ドル の利子を払って利用すれば、高額な滞納金を支払わなくてもすんだ。

だが、 ペイデイローンのメリットについて話し合う議員の口から、私が経験したような状況についてどう思うかを聞いたことはない。

 

引用元

J・D・ヴァンス. ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~

 

 

投資は脇役でバッファ程度に

投資、つまり資産運用は、自分のより良い人生を実現するための手段であるべきであって、他人に簡単に勧められるようなものではありません。

ライフプランは「人それぞれ」だが、投資に限っては「今すぐ始めたほうが良い」などとそうそう言えるはずないのです。

持ち家は負債だ。などと豪語し、資金全部を株に突っ込む極端な人間の言うことを真に受けると痛い目に遭うことでしょう。

 

少額からでも取引できる!

と、まるで証券会社の人間のような言い回しをする方も居ます。

しかし、少額の投資が偶然にも増えてしまったら、そのリターンの額の少なさに不満を感じてしまいます。

次第に有り金全てをギャンブルのような(そして手数料の高い)取引に投じてしまう事を証券会社は狙っています。

相場が右肩上がりであれば尚更。

100円からでも買える。(だから今のうちから投資した方が良い。)

という理屈では他人に勧める理由にはなりえません。

このような極端にハードルを下げてくる言い方で投資を勧めてくる人にはご用心。

 

長期投資なら報われる可能性が高い。

というのもあまり良くない思考です。長期、長期と言うならば人間は長期的に見れば全員死にます。数年間の莫大な含み損やインフレに負けるリスクに曝された結果、ホールド中の資金需要に応えられないのは問題です。

リスク許容度を無視して長期投資という極端なフレーズを連呼する人は象牙の塔の住人なので話半分に聞いておきましょう。

 

自己投資に回すべきかどうかもやはり「人それぞれ」です。

急成長中の企業を除けば、同期全員分の幹部職のイスは用意されていない企業の方が多いでしょう。正しい方向に努力をしてもイスに座れない人間は一定数居ますから結果だけ見れば意味のない投資になる人は出てくるかもしれません。

もちろん出世願望があるなら自己投資には回すべきですし、転職する時にアピールできるようなスキルを身につけることも大切です。

自己投資を頭から完全に放棄してまで株を買えなどという極端な意見を真面目に聴いてはいけません。あなたのポテンシャルを画面の向こうから過小評価してくる失礼な人間です。

 

まとめ

我々は常に投資か、それ以外かを問われるトレードオフに直面しています。

何かを選ぶという事は何かを放棄するという事です。機会費用について少しだけでも考えた後に投資に回すようにした方が後悔しないと思います。

いろんなポジションから発せられる幾多の言葉に惑わされず、自分にとっての便益の最大化ができる判断になるのかどうか、ぜひ一考していただいた後、投資の世界に足を踏み入れてもらえたら嬉しい限りです。

 

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※この記事は100%ポジショントークで構成されています。

 その理屈、なんかおかしくないか?

言ってることとやってる事が違うじゃないか。

 

と思った時は、画面の向こうにいる冴えない能書き野郎(25歳男性)の顔を想像しながらこう言って受け流して下さい。

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(引用元:映画 ウルフ・オブ・ウォールストリート)

 

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