泡沫投資家ノディの米国株入門

インフレに勝ちたい

アング『資産運用の本質』読書メモ②「株式プレミアム・パズル」

 飽きて投げ出すのだろうと他ならぬ自分が思っていましたが続きます。

www.homatsu-noddy.com

 

前回と同じくアンドリュー・アングの『資産運用の本質-ファクター投資への体系的アプローチ』の自分用メモ書きです。

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斜体文字は引用部分

赤文字は私のコメントなので無視してOKです。

 

”ここでは社会のすべての主体が代表的経済主体、すなわち平均的な個人または平均的な投資家だと仮定する。平均的な投資家は、株式を保有する対価として株式リスク・プレミアムを享受する。”

”最も基本的な消費モデルにおいては一人あたり実質消費成長率という一つのファクターしかなく、その他のファクターは消費に影響するという点でのみ重要である。”

”株式プレミアム・パズルとは、リスクファクターとして消費を用いると株式プレミアムが想定より小さくなってしまう現象を指す。”

”ラジュニシュ・メーラとエドワード・プレスコットが書いた論文がこの難問に挑んだ。その中で彼らは、合理的なリスク回避レベルであれば、リスクフリー資産に対する株式プレミアムは1%よりかなり小さいと主張している。”

→すべての企業の利益は誰かの消費に根ざしているとするならば、平均的な投資家が享受する利益もまた、消費の成長率に落ち着くというのは自然な考えといえる。しかし消費の成長率は実質年3%程度である一方、過去200年の株式の実質リターンはこれよりもかなり高い。これをどう説明するか?

 

”市場のリスク回避度は(時として)非常に高い”

”非常にリスク回避的な代表的経済主体は株式を保有する際に大きなプレミアムを要求する一方で、時間的に極めて安定した消費を望むが、それを抑制するためにはリスクフリー・レートは非常に高くなる必要がある。”

”「なぜ株式のリターンはそれほど高いのか?」という問いは「なぜリスクフリー・レートはそれほど低いのか?」という問いと表裏一体なのである。”

 

”株式プレミアム・パズルはリスク回避度が経時変化するモデル群によって説明することができるが、(以下略)”

”消費が習慣水準に接近するにつれて限界効用は非常に高くなるということが景気後退期に起こるのである”

”経済主体の消費水準自体は景気後退期に低下するが、その消費低下が小幅であっても習慣水準に近づくにつれて危機感が募るのである。

→不況で残業が減り、収入が5%減ったら小遣いが半分になってしまった家計を想像したい。食事の量は半分にできないし、負債の返済額も半分にはならない。好景気時なら捨て置いただろう端金が急に輝き出す。

含み損があるとはいえ、まとまったお金が「まだ」証券口座に存在していたとしたら?使ってしまわないだろうか?あるいは使わざるを得ない状況に追い込まれないだろうか?資産運用などに興味の無かった友人が、貯金を使ってやや値下がりしたタワーマンションを購入したなどと聞いてしまったら?方針がブレやすい私みたいな投資家はこのような局面でも投資を続けられるか非常に怪しい。

標準偏差がたった15%の資産を持つだけで7%の実質リターンがいとも簡単に得られるのならそれはハイリスクな投資とは言えない。辻褄を合わせるための罠が仕込まれているはず。

残念ながら平均的な投資家は、景気後退期になると期待リターンの高い資産をむざむざ売り払うことになっている。

株価が下がってメンタルが大ヤラレすること自体は問題ではなく、株価が下がっているときは所得も落ち込んでいる。ということが本当の問題であり、リスク許容度を試してくる真の要因であると解釈。

そして、国債のリターンが株式よりも低いのは景気後退期に価格が上がる保険のような性質を持つからである。

あなたは平均的な投資家とは根本から違う外れ値にあるのかもしれないが、代表的な投資家は景気後退期には非常にリスク回避的になることは頭に叩き込んでおきたい。そのような時、みんなと違うことが出来るような状態を作りたい。

 

”多様な投資家”

”株式の大量保有を検討しているアセット・オーナーにとって、多様性の考慮は重要である。”

”自分が市場に対してどれくらい乖離しているかということだけでなく、全投資家の分布の中でどのような特徴をもっているかも考えなければならない。”

→バフェットさんと私達では投資資金の調達方法からして全く異なるし、バフェットさんの持ち株が一時的に下がったとしても、彼の生活が立ち行かなくなることは無い。一方私はそうはならないとは言い切れない。ブログなどで「あの人も株式100%だ」と言って自己正当化するのは簡単だが、何よりもまず景気後退期、あるいは自分にとっての悪環境期を把握するところから始めたい。

 

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本章では他にも「災害リスク」と「長期リスク」をパズルの説明に当てています。

説明が足りないとか、結論がどこから出てきたのかよく分からないと感じた方もいるかもしれませんが、これはあくまで自分用のメモとなっております。気になる人は是非本で続きを読んでみてください。この本は個人的にアタリだと思っています。

やる気が残っていたら次は株式の期待リターンの章について書くつもりです。

 

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