泡沫投資家ノディの米国株入門

インフレに勝ちたい

リーマンショック大したこと無かった仮説

およそ10年前に世界金融危機が発生しました。

発生というよりも、積み上がったリスクが顕在化した。といった方が正しい気がしますれども、それは別の話。

 

IMFは1800年以降の米国のデータと1980年以降の世界のデータを公開しています。

(リンク:https://www.imf.org/external/datamapper/datasets)

上記ページを見ると100年に1度と呼ばれた金融危機でも世界の実質GDP成長率はマイナスになっておらず、全世界で一斉に不況に突入していった訳では無い事を示しています。

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日本でもリーマンショックと東日本の震災を挟んだ時期には、電機メーカー中心に競争力が落ちていき、3年に渡る不景気を経験したように感じますが、ドル建てにおけるMSCIジャパン指数は2009年3月にグローバル株式と全く同じタイミングで反転を始めています。f:id:hobogo-mila:20180920235255p:plain

リーマンショックはイベントとしては象徴的で、実際に金融システムの一大危機であったのは確かですが、世界の人々の消費に深刻な落ち込みがあった訳ではなかったようです。

 

これが『リーマンショック(は世界の実質GDP成長のトレンドをへし折るような経済危機ではなく、単にごく一部の上がりすぎた資産価格が適正値まで調整しただけで実際は)大したこと無かった仮説』です。私が勝手に言ってるだけですが。

 

もちろん、金融当局の中の人が必死にシステムを維持しようと奔走し、新しい規制が作られた結果、不況に陥らなかったという側面もあるのでしょうけれども、それが偶然だったのか必然だったのかを考える必要はあると思います。

www.youtube.com

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GFCが短いタームの出来事に過ぎず、長いタームの潜在リスクは依然として積み上がっている最中なのかどうか?そういう感じです。

某国の債券市場とか見ると結構怖くなりますよね。

 

難しい事は後世の学者に任せるとして、この記事で言いたいのは、深刻な消費の落ち込みを伴う世界同時不況を体験した投資家は、少なくとも現役では誰も居ないだろうという事です。

「あの」リーマンショックを耐え抜いた投資家が、次々に押し黙って退場していくような長期株安局面が起きても不思議ではない(1929年には実際にそれが発生し、回復するのは世界大戦後まで待つ必要があった)という事を肝に命じておきたいと思います。

 

特に、2008年と違って現在は沢山の人がSNSを活用して情報を発信したり、収集しています。

有名な古参投資家が「ここで買える人だけが大金持ちに!」と善意で発信した結果、当人含めて全員音信不通!ドンッ!なんてことにならないように、自分の責任と判断で行動するように気をつけてまいりましょう。このブログでも暴落時にはきっと面白いポエムが見られると思います。

 

補足として、過去のGDPショックをいくつか並べておきます。

ロシア帝国:第一次大戦~革命の期間中71%下落

アメリカ :1921年に16%下落

ドイツ:1945年に41%

イギリス:1945年に17%

ソビエトロシア:第二次大戦中に58%

日本:第二次大戦中に50%

※数字は全て『資産運用の本質』から引用した。

 

 

関連記事です。

株式リターンの源泉はGDP成長ではなく、市場リスクではありますが、ゼロ成長になる過程で市場平均の予想PERは10くらいまで下がると思われます。(要求リターン10%として)

売上が自己成長しないベータ1以上の大型株はもっと酷いことになるでしょう。

www.homatsu-noddy.com

 

 

ガイトナー回顧録 ―金融危機の真相

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